精神疾患を克服して
◆辛さへの無理解と、増え続ける薬
まだ『鬱病』という言葉が一般的でもなく、パソコンなども普及していなかった頃。
家族にもなまけ病と言われ、医師にすら辛さを理解してもらえませんでした。
病院に行くたびに増え続ける薬と、辛くなる一方の症状と副作用。
症状は聞かれますが、『何故鬱になったのか?』という原因については聞かれませんでした。
◆小さな頃から『問題児』と言われ続けて
私は幼児の頃から多動性があり、皆と同じような集団行動をする事が苦手。
皆と同じに出来ない私は常に『問題児』とされ、叱られ続けてきました。
他の子ども達とは違う感性。強すぎる感受性。漠然と感じる疎外感。
不登校になり精神も不安定で、小学4年生の頃には、大学病院の精神科に通うようになりました。
◆非行に走り、自分自身をどんどん追い詰め、傷つけ、ただ生きてしまっているだけの毎日。
そんな私でも温かい家庭を夢見ていたのですが、家庭は崩壊。
鬱・パニックなど重度の精神疾患で、幼子を抱えながらにして、日常生活もままならない時期もありましたが、自分と向き合う事への機会とサポートが得られた事をきっかけに、すっかり病を克服。
その経験を伝え生かす事で、生きがいを感じる人生を歩めるようになりました。
◆原因~病のものがたりと向き合う~
子供の頃からそうでしたが、問題児であった時も、非行に走った時も、自虐に走った時期も、その原因について共に考え寄り添っては貰えず、ただ行動を責められ続けていました。
しかし今、学びをもって振り返れば、全てに原因も解決策もあったのです。
元々身体が弱く病気がちだった事も、精神疾患の辛い症状も、その原因をみずに薬だけで治るものではありませんでした。
◆同じ病名でも、原因は人それぞれ違います。『やらない』と、『やれない』も違います。
経験したからこそわかる事がある。それが私の強みとなりました。
病だけではなく、非行や虐待などにもある『原因・その物語』、その人まるごとに寄り添う事。
それは正に、小さな頃からの自分が求め続けていた事であり、今の仕事の一番大切なポイントとなっています。